VRコンテンツを制作するwithID株式会社は、株式会社グラコネとKEY4d LABを共同でデジタルミュージアムである「CryptoArtTown」を製作した。
デジタル分野で世界を代表するアーティストが製作した、NFTに紐づけられたデジタルアートを展示する。
メタバースとは、多人数が参加可能で、参加者がその中で自由に行動できる、ネットワーク上に作成された仮想空間のことである。
「CryptoArtTown」は直近数ヶ月間で大きな盛り上がりを見せている、NFTに紐づけられたデジタルアートを展示するためのデジタルギャラリーだ。
特別な機材を必要としないWebVR方式を導入しており、PCやスマートフォンのWebブラウザからVR空間にアクセスすることができる。
そのため、OculusシリーズなどのVRヘッドセットは必要ない。
アートギャラリー内から、 NFTマーケットプレイス"opensea"へ直接移動することができ、購入したい作品があればイーサリアムで支払いをすることができる。
展示したいデジタルアート作品を所有されている方、NFTマーケットプレイスを主催されている方、美術作品を収集している方などにとって、さまざまなメリットを生み出す可能性がある。
ミュージアムのデザイン思想
NFTアート専用のデジタルミュージアムは新しい試みということもあり、誰でもスムーズに鑑賞することができるようなシンプルかつ明快な構成をアイデアの軸としている。
作品数の変化にフレキシブルに対応できるように、「CryptoArtTown」は非常にシンプルに構成されており、たった3つのパーツからデザインされている。
そのため、展示規模の拡大縮小を正円の半径を調整するだけでコントロールすることができる。
また、展示場が円形のため、円が持つカーブによって作品群を壁を立てることなく緩やかに区切ることができる。
ドーナツ状の空間を時計回り / 反時計回りで自由に回遊できるので、作品を観賞する順路をフラットな状態に保つことができる。
展示場の外側には今回のプロジェクトのために、「朝・昼・夕・夜」すべての時間帯の空模様が360°に広がる不思議なコラージュ背景を制作している。
盛り上がりを見せるNFTアート業界
今回の発表だけでなく、アート業界ではNFTやデジタル空間の活用が進んでいる。
例えば、NFTアーティストのBeeple氏が作成した「The First 5000 Days」は史上最高額の75億円で落札されたデジタルアートである。この作品は、彼が13年半、毎日描き続けた作品を集めて作成されたものだ。
また、NFTアートのデジタル住宅である「マーズハウス」が51万2712ドル(約5,600万円)で売却された。
マーズハウスはアーティストのクリスタ・キム(Krista Kim)氏によって制作され、クリップの音楽はスマッシング・パンプキンズのジェフ・シュローダー(Jeff Schroder)氏が担当した。
マーズハウスはその名の通り、仮想の火星上に建設された家のようで全面ガラス張り様式である。
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今後も、NFTアート業界の動向に注目していきたい。